美容内服の副作用と飲めない人|血栓・ピル・妊娠・授乳の注意点を成分ごとに医師が解説

美容内服のコラムの表紙イラスト

「飲み薬なら、注射やレーザーと違って副作用はないですよね?」

「ピルを飲んでいるんですが、トラネキサム酸は血栓ができると聞いて……一緒に飲んでも大丈夫ですか」

「いま授乳中です。ビタミンが中心なら続けてもいいでしょうか」

美容内服のご相談では、効果と並んで「自分は飲んでよいのか」をよく聞かれます。錠剤を飲むだけなので、サプリメントの延長のように感じる方も多い。けれども、処方されるのは医薬品です。成分ごとに副作用があり、飲む前に確かめておきたい条件があります。

先に結論をお伝えします。美容内服は「飲むだけ」に見えても薬で、成分ごとに副作用と注意点があります。当院では、妊娠中・授乳中の方と、血栓症になったことがある方には処方していません。ピルを服用中の方は、診察でのご相談が必要です。多くの方に見られる副作用は胃腸の不調や発疹といった軽いものですが、まれに血栓症の報告もある。だからこそ、飲み始める前の確認が大切になります。

ここからは、アルモナクリニック(東京・市ヶ谷)の医師が、美容内服の副作用と、飲めない方・相談が必要な方について、成分ごとにお話しします。なお、当院の5合剤は国内では未承認の海外製の薬で、3種セットの薬も美容目的は承認された効能とは異なる使い方です(詳しくは記事の最後に記載しています)。

この記事でわかること
  • 美容内服に含まれる5つの成分それぞれの、添付文書に書かれた副作用
  • トラネキサム酸と血栓の関係(添付文書の注意と、研究での報告)
  • ピル・ホルモン補充療法を使っている方が相談すべき理由
  • 妊娠中・妊活中・授乳中の扱いと、月経への影響の報告
  • かぜ薬との重複、腎臓の病気、健康診断の検査への影響
  • 診察で伝えてほしいことと、受診の目安、当院の美容内服の内容
この記事の監修者

アルモナクリニック院長

Itsuki Nakayama

中山 樹
切らない美容医療で、あなたの魅力を引き出します

▼資格
美容外科学会員
内科学会員
産業医
日本救急医学会ICLSプロバイダー
アメリカ心臓病学会BLSプロバイダー
アラガン社ヒアルロン酸認定医
アラガン社ボトックス認定医
テストステロン治療認定医
厚労省指定オンライン診療研修

▼学会発表
国際学会 IMCAS China 2026(上海)にて口演発表 2026年8月

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美容医療のプロ
目次

美容内服の副作用|「飲むだけ」でも薬です

美容内服とは、シミや肝斑、くすみなど肌の悩みに対して、医師が診察のうえ処方する飲み薬のことです。当院の5合剤には、トラネキサム酸、ビタミンC(アスコルビン酸)とパントテン酸カルシウム、ビタミンE、L-システイン、グルタチオンが1錠に入っています。3種セットは、トラネキサム酸・ビタミンE・ビタミンCを別々の錠剤でお出しするものです。

名前だけ見ると、ビタミンやアミノ酸が中心で、体にやさしそうな印象を受けます。実際、国内で長く使われてきた成分ばかりです。ただ、長く使われてきたということは、副作用の情報も積み重なっているということ。それぞれの成分を含む国内の承認薬には添付文書(薬の公式な説明書)があり、起こりうる副作用と、注意が必要な方が書かれています。

副作用の話をするときに、分けて考えたいことが2つあります。

  • 飲んだ人に起こりうる症状:胃の不快感、吐き気、下痢、発疹など。誰にでも起こりうるが、頻度は高くない
  • もともとの体の条件によって注意が変わること:血栓症の経験、妊娠・授乳、腎臓の病気、ほかの薬との重なりなど

前者は「飲んでみて、出たら相談する」もの。後者は「飲む前に確かめる」ものです。美容内服で大切なのは後者、つまり飲み始める前の確認です。この記事の後半が、妊娠やピル、血栓の話に多くの字数を割いているのはそのためです。

医師としての判断を1つ。「副作用が少ない薬」と「何も確かめずに飲んでよい薬」は別のものだと考えています。頻度が低くても、その方の体の条件によっては避けたほうがよいことがある。処方の前に診察があるのは、そこを見分けるためです。

アルモナクリニック(東京都 市ヶ谷)は「切らない美容医療」の専門院です。

・元に戻せないのは不安・・・
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・周りにバレたくない・・・

など、メスを使った施術に不安感があり、もっと気軽に美容医療を試したい方に多く選ばれております。症例豊富な医師が、無料カウンセリングから当日の施術まで担当し、あなたのご不安やお悩みを丁寧にお伺いいたします。

成分ごとの副作用一覧|添付文書に書かれていること

5つの成分について、それぞれを含む国内の承認薬の添付文書に書かれている副作用と注意をまとめました。当院の5合剤そのものの添付文書ではなく、同じ成分を含む国内の承認薬の情報です。

成分主な副作用(添付文書)注意が書かれていること
トラネキサム酸食欲不振、悪心(吐き気)、嘔吐、下痢、胸やけ(0.1〜1%未満)/かゆみ、発疹、眠気(0.1%未満)/重大な副作用:けいれん(人工透析を受けている方)血栓のある方・血栓症があらわれるおそれのある方、腎不全の方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方
ビタミンC(アスコルビン酸)・パントテン酸カルシウム胃の不快感、悪心・嘔吐、下痢尿糖・尿潜血・便潜血の検査に影響
ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)便秘、胃の不快感、下痢、発疹授乳中の方
L-システイン悪心、下痢、口の渇き、軽い腹痛―
グルタチオン発疹、食欲不振、悪心・嘔吐、胃痛授乳中の方
美容内服の成分ごとの主な副作用と注意点をまとめた一覧表(トラネキサム酸・ビタミンC・ビタミンE・L-システイン・グルタチオン)

共通して多いのは、胃腸の症状と発疹

表を横に見ると、どの成分にも似た症状が並んでいることに気づきます。胃の不快感、吐き気、下痢。そして発疹。美容内服で起こりうる副作用の中心は、胃腸の症状と皮膚の症状です。

トラネキサム酸の添付文書には頻度も書かれています。食欲不振・吐き気・嘔吐・下痢・胸やけは0.1〜1%未満、かゆみ・発疹・眠気は0.1%未満。数字のうえでは多いものではありません。ただし、これは承認された効能で使われたときの情報です。美容目的で、複数の成分を一緒に、数か月続けて飲む場合の頻度を示したものではない点にご注意ください。

成分ごとに違うところ

  • トラネキサム酸:血栓についての注意がある。人工透析を受けている方では、けいれんが重大な副作用として挙げられている
  • ビタミンC:副作用というより、検査の結果に影響する(後の章でお話しします)
  • ビタミンE:便秘が挙げられている
  • L-システイン:口の渇き、軽い腹痛
  • グルタチオン:発疹、胃痛

5合剤は5つの成分を1錠にまとめた薬です。飲む手間が少ない反面、気になる症状が出たときに「どの成分のせいか」を1錠の中で切り分けることはできません。症状が出たら、まず服用を止めてご相談ください。

医師としての判断を1つ。副作用は「飲み始めだけ気をつければよい」と時期を決めつけないほうがよい、と考えています。飲み始めて間もなく胃が重くなる方もいれば、しばらく続けてから発疹に気づく方もいる。「いつもと違う」と感じたら、時期にかかわらず教えてください。

トラネキサム酸と血栓|「血栓ができる薬」ではなく「条件のある方は注意が必要な薬」

美容内服の副作用で、いちばん検索されているのが血栓です。血栓とは、血管の中にできる血のかたまりのこと。脚の静脈にできると深部静脈血栓症、それが肺に飛ぶと肺の血管が詰まります。

添付文書にはどう書かれているか

トラネキサム酸は、もともと出血を抑える目的で使われてきた薬です。添付文書には、血栓のある方、血栓症があらわれるおそれのある方について、「血栓を安定化するおそれがある」という注意が書かれています。

ここで言葉を正確に読んでおきたい。書かれているのは「血栓を作る」ではなく、「(すでにある、あるいはできかけた)血栓を安定化するおそれ」です。トラネキサム酸を「飲むと血栓ができる薬」と言い切るのは正確ではありません。「血栓ができやすい条件のある方は注意が必要な薬」と理解するのが実際に近い。

研究ではどう報告されているか

肝斑に対してトラネキサム酸の内服を受けた561人をふり返って調べた調査(Lee 2016)があります。治療期間の中央値は4か月。副作用は7.1%に見られ、そのうち1人に深部静脈血栓症が起きました。この方は、のちに家族性の凝固異常(血が固まりやすい体質)と診断されています。著者らは、内服を始める前に血栓の危険因子を確認すべきだと述べています。

偽薬と比べた44人の試験(Del Rosario 2018)では、重い副作用は報告されていません。いずれも当院の薬の研究ではなく、トラネキサム酸の内服一般についての報告です。

561人中1人。この数字から「めったに起きない」とだけ読むのは、半分しか読めていません。起きた1人には、血が固まりやすい体質という背景がありました。つまり、事前に危険因子を確かめることに意味がある、ということです。

診察で確かめること

当院では、血栓症になったことがある方には美容内服を処方していません。そのほか、肝斑の効能を持つ市販のトラネキサム酸製剤の説明では、次のような方が「相談すること」に挙げられています。

  • 血栓症のある方、血栓症になったことがある方
  • ご家族に血栓症になった方がいる方
  • 経口避妊薬(ピル)やホルモン補充療法の薬を使っている方
  • 55歳以上の方、腎臓の病気がある方

当てはまるものがあれば、診察で教えてください。ご自身では「関係ない」と思っていることが、判断の材料になる場合があります。

医師としての判断を1つ。血栓の話は、怖がらせるためにするのではありません。確かめておけば避けられることが多いから、先にお聞きするのです。「母が脚の血栓で入院したことがある」といった家族の話は、問診票に書く欄がなくても口頭で伝えていただけると助かります。

ピル・ホルモン補充療法を使っている方|トラネキサム酸との併用は要相談

「ピルとトラネキサム酸は併用できない」と書いてあるサイトもあれば、「問題ない」と書いてあるサイトもある。調べるほど混乱する、という声を聞きます。情報が割れるのには理由があります。

 ピル・ホルモン補充療法についての記載
医療用のトラネキサム酸の添付文書相互作用(飲み合わせ)の欄には出てこない
肝斑の効能を持つ市販のトラネキサム酸製剤の説明「相談すること」に入っている(血栓症を起こすおそれのある人として、経口避妊薬・ホルモン補充療法を服用中の人)
当院の方針要相談(診察で個別に判断)

医療用の添付文書だけを見れば「併用注意とは書かれていない」。市販薬の説明を見れば「相談すること」。どちらも事実で、見ている文書が違うだけです。

当院の扱いは「要相談」です。一律にお断りしているわけでも、一律にお出ししているわけでもありません。ピルの種類、飲んでいる期間、年齢、喫煙の有無、血栓に関わる持病やご家族の病歴などをうかがったうえで、医師が判断します。

お願いしたいことは2つです。

  • 自己判断で併用しない:手元に残っているトラネキサム酸や、人から譲ってもらった薬を、ピルと一緒に飲み始めない
  • 飲んでいる薬を診察で伝える:避妊目的のピルだけでなく、月経困難症の治療で出されているホルモンの薬、更年期のホルモン補充療法の薬も含めて

ピルを「薬」と意識していない方は意外に多く、問診で「飲んでいる薬はありません」と答えたあとに「そういえばピルは飲んでいます」となることがあります。お薬手帳に載っていないオンライン処方のピルも、忘れずに教えてください。

医師としての判断を1つ。ピルを飲んでいる方に美容内服をお出しするかどうかは、白か黒かで決めるものではないと考えています。迷う条件が重なるときは、内服以外の方法を選ぶのも1つの答え。シミや肝斑の治療は、飲み薬だけではありません。

妊娠中・妊活中・授乳中の美容内服

妊娠や授乳の時期は、ホルモンの変化で肝斑やシミが気になりやすい時期でもあります。飲めるかどうかのご質問が多いのは自然なことです。

結論から書きます。当院では、妊娠中の方・授乳中の方には美容内服を処方していません。

添付文書の書き方

トラネキサム酸の添付文書では、妊娠中の方については「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ」、授乳中の方については「授乳を続けるか中止するかを検討する」という趣旨の記載になっています。ビタミンEとグルタチオンの添付文書にも、授乳について同じ趣旨の注意があります。

添付文書の文面は「飲んではいけない」ではありません。病気の治療で必要なときには、医師が判断して使うことがある、という書き方です。では、なぜ当院は処方していないのか。

理由は、目的にあります。美容内服は、病気を治すためではなく、肌の悩みに対して自由診療でお出ししている薬です。「有益性が危険性を上回る場合にのみ」という基準に照らすと、妊娠中・授乳中にあえて飲んでいただく理由が見当たらない。肌の治療は、時期を待つことができます。

妊活中の方、妊娠の可能性がある方

妊活中の方、妊娠の可能性がある方は、診察でご相談ください。「まだ妊娠していないから」とご自身で判断せず、妊娠を考えている時期であることを先に伝えていただくのが大切です。服用中に妊娠がわかった場合は、服用を止めてクリニックへご連絡ください。

この時期にできるシミ・肝斑の対策としては、紫外線を避けることが基本になります。美容医療の診療指針でも、肝斑は遮光が最も重要とされています。日焼け止め、帽子、日傘。そして、こすらない洗顔。地味ですが、時期を問わず続けられる方法です。

医師としての判断を1つ。「授乳が終わったらまた来ます」と言ってくださる方には、「そのときにあらためて肌を見せてください」とお答えしています。妊娠・授乳の時期に濃くなった色が、時間とともに変わることもある。その時点の肌を見てから、内服がよいのか、ほかの方法がよいのかを決めても遅くはありません。

月経(生理)への影響|研究で報告されていること

「トラネキサム酸を飲み始めてから、生理の量が減った気がする」。こうしたご相談もあります。

肝斑に対するトラネキサム酸の内服をまとめた解析(Zhang 2018)では、副作用として軽い胃腸症状とともに、月経の減少が挙げられています。服用量を比べた研究(Zhu 2019)でも、軽い胃の不調と月経の減少が報告されています。いずれも当院の薬の研究ではありません。

トラネキサム酸は出血を抑える方向に働く薬ですから、月経の量に変化が出ることは、薬の性質から考えて不思議ではない。美容目的でトラネキサム酸を飲んでいる方に、月経の量が減るなどの変化が報告されている。これは知っておいてよい事実です。

一方で、月経の変化にはさまざまな原因があります。体調、体重の変化、ストレス、年齢、妊娠、婦人科の病気。飲み始めた時期と重なったからといって、薬のせいとは限りません。

  • 月経の量や周期が、飲み始める前と比べて明らかに変わった
  • 月経が来ない(妊娠の可能性がある場合は、先に確認を)
  • 変化が続いていて、気になる

こうしたときは、次の受診を待たずにご相談ください。「美容の薬のことで生理の相談をするのは気が引ける」と遠慮される方がいますが、遠慮は不要です。必要に応じて、婦人科の受診をおすすめすることもあります。

医師としての判断を1つ。月経の記録をつけている方は、飲み始めた日を一緒にメモしておくと、あとで変化を振り返りやすくなります。アプリでも手帳でもかまいません。記録があると、薬との関係を落ち着いて考えられる。

ほかの薬との重複・腎臓の病気・検査への影響

血栓や妊娠ほど知られていないものの、診察で確かめておきたいことがあと3つあります。

1. トラネキサム酸の重複|かぜ薬・のどの薬にも入っている

トラネキサム酸は、のどの痛みや腫れ、口内炎にも使われる成分です。病院で出されるのどの薬のほか、市販のかぜ薬やのどの薬に入っていることがあります。

肝斑の効能を持つ市販のトラネキサム酸製剤の説明には、「ほかのトラネキサム酸を含む内服薬と一緒に飲まない」という注意があります。美容内服を続けている間にかぜをひいたら、市販薬を買う前に、成分表示に「トラネキサム酸」と書かれていないかを見てください。病院や薬局では、美容内服を飲んでいることを伝えましょう。自由診療の薬はお薬手帳に載っていないことが多く、こちらから言わなければ気づかれません。

2. 透析中の方、腎臓の病気がある方、高齢の方

トラネキサム酸の添付文書では、人工透析を受けている方のけいれんが「重大な副作用」として挙げられています。腎不全の方も注意の対象で、高齢の方は量を減らすよう書かれています。肝斑の効能を持つ市販のトラネキサム酸製剤では、透析療法を受けている方は服用できないとされ、腎臓の病気がある方と55歳以上の方は「相談すること」に入っています。

腎臓の病気を指摘されたことがある方、健康診断で腎臓の数値について言われたことがある方は、診察でお伝えください。量の調整が必要になったり、処方を見合わせたりすることがあります。

3. 検査への影響|ビタミンCと尿・便の検査

ビタミンC(アスコルビン酸)を含む薬の添付文書には、尿糖・尿潜血・便潜血の検査に影響するという注意があります。健康診断や人間ドックでおなじみの検査です。

健康診断や人間ドックの前には、美容内服(ビタミンCを含む薬)を飲んでいることを、検査を受ける医療機関に伝えてください。検査の前に服用をどうするかは、検査を受ける医療機関の指示に従うのがよいでしょう。問診票の「服用中の薬」の欄に書いておくのも1つの方法です。

ビタミンやミネラルのサプリメントを何種類も飲んでいる方は、成分の重なりにも目を向けてみてください。くわしくはサプリメントの飲み合わせと飲みすぎについての記事にまとめています。

医師としての判断を1つ。飲み合わせの確認でいちばん頼りになるのは、記憶ではなく実物です。薬の名前を思い出せないときは、薬そのものか、箱やシートの写真を見せてください。「白い錠剤」だけでは、こちらも判断ができません。

飲めない方・相談が必要な方|飲み始める前に診察で伝えてほしいこと

ここまでの内容を、当院の扱いに沿って3つに分けます。

区分当てはまる方
当院では処方していません妊娠中の方/授乳中の方/血栓症になったことがある方
要相談ピルを服用中の方
診察で伝えてほしいこと持病(腎臓の病気、透析など)/飲んでいる薬・サプリメント/妊娠の可能性、妊活中であること/血栓症の経験、ご家族の血栓症/ホルモン補充療法の薬
美容内服を当院で処方していない方、要相談の方、診察で伝えてほしいことを3つに分けた図

診察の前に、次の5つを思い出しておいていただけると、話が早く進みます。

  1. 持病:いま治療中の病気、過去に指摘された病気
  2. 飲んでいる薬:処方薬、市販薬、サプリメント。お薬手帳があればお持ちください
  3. ピル・ホルモンの薬:種類と、飲んでいる期間
  4. 妊娠の可能性:妊娠中、妊活中、授乳中かどうか
  5. 血栓の既往や家族歴:ご自身やご家族が血栓症になったことがあるか

美容内服は、来院して医師の診察を受けていただいたうえで処方しています。この5つをうかがうのは、形式ではなく、処方してよいかを決める材料だからです。

飲み始めたあとも、状況が変われば教えてください。新しく薬が出た、ピルを始めた、妊娠を考え始めた、健康診断で何か指摘された。「飲み始めたときは問題なかった」ことが、数か月後も同じとは限りません。

医師としての判断を1つ。「処方していません」とお伝えするのは、こちらとしても心苦しい場面です。それでも、条件に当てはまる方にはお出ししない。その線を守ることが、美容内服を続けている方全体の信頼につながると考えています。内服ができない場合も、ほかにできることを一緒に考えます。

こんな症状が出たら|受診の目安とリスク・副作用

飲んでいる途中で体調の変化に気づいたとき、どう動けばよいか。一般的な目安を3段階に分けました。個別の判断は症状や体の状態で変わりますので、迷ったらご連絡ください。

段階症状の例どうするか
軽い症状軽い胃の不快感、胸やけ、軽い吐き気、口の渇き、便がゆるい・便秘ぎみ様子を見てよいことが多い。続く・つらいときは相談
服用を中止して相談発疹、かゆみ、吐き気や下痢が続く、月経の変化が気になる、妊娠がわかった服用を止めて、クリニックへ連絡
すぐに医療機関を受診片脚の急な腫れや痛み、急な息苦しさ、胸の痛み、激しい頭痛、手足のまひやしびれ、ろれつが回らない、けいれん服用を止めて、すぐに受診。強い症状のときは救急車を
美容内服を飲んでいて症状が出たときの受診の目安を、軽い症状・服用を中止して相談・すぐに受診の3段階で示した図

3段目に挙げたのは、血栓症などで見られることがある症状の一般的な例です。美容内服を飲んでいる方にこうした症状が多い、という意味ではありません。ただ、片脚だけが急に腫れて痛む、急に息が苦しくなる、胸が痛む。こうした症状は、薬を飲んでいるかどうかにかかわらず、様子を見ずに医療機関を受診してほしいサインです。受診の際は、トラネキサム酸を含む薬を飲んでいることを伝えてください。

リスク・副作用のまとめ

  • トラネキサム酸:食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、胸やけ、かゆみ、発疹、眠気。月経の変化の報告がある。血栓のある方・血栓症があらわれるおそれのある方では、血栓を安定化するおそれ。人工透析を受けている方ではけいれん
  • ビタミンC・パントテン酸カルシウム:胃の不快感、吐き気・嘔吐、下痢。尿糖・尿潜血・便潜血の検査に影響
  • ビタミンE:便秘、胃の不快感、下痢、発疹
  • L-システイン:吐き気、下痢、口の渇き、軽い腹痛
  • グルタチオン:発疹、食欲不振、吐き気・嘔吐、胃痛

当院の5合剤は国内では未承認の薬であり、5つの成分を1錠にまとめた薬としては、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。また、未承認の薬や、承認された効能とは異なる目的で使う薬は、万が一重い健康被害が生じた場合でも、医薬品副作用被害救済制度の対象になりません。効果や副作用のあらわれ方には個人差があります。

医師としての判断を1つ。迷ったときの原則は「まず止める、それから相談する」です。美容内服は、数日止めたからといって困る薬ではありません。止めて様子を見て、何もなければ再開を考えればよい。飲み続けながら悩むより、ずっと確かな方法です。

当院の美容内服|5合剤と3種セットの内容・料金

アルモナクリニック(東京・市ヶ谷)の美容内服について、まとめてご案内します。美容内服は、公的医療保険が使えない自由診療です。

当院の美容内服は2種類。5つの成分を1錠にまとめた「オールインワン美容内服5合剤」と、トラネキサム酸・ビタミンE・ビタミンCを別々の錠剤でお出しする「美容内服セット(3種)」です。基本的には、1錠で済む5合剤をおすすめしています。5合剤は海外製で国内では未承認の薬、3種セットはそれぞれ国内製の承認薬ですが、美容目的は承認された効能とは異なる使い方です。

種類内容料金(税込)
5合剤 ベーシック1日2回・1回1錠(月60錠)6,000円/月
5合剤 パーフェクト1日3回・1回1錠(月90錠)8,000円/月
5合剤(施術を受けた当日に院内で購入)同上ベーシック 4,000円/パーフェクト 6,000円
美容内服セット(3種)30日分6,000円

5合剤の配合量と1日量

成分1錠あたりベーシック(1日2錠)パーフェクト(1日3錠)
トラネキサム酸250mg500mg750mg
L-システイン40mg80mg120mg
ビタミンC(アスコルビン酸)200mg400mg600mg
パントテン酸カルシウム2.0mg4.0mg6.0mg
グルタチオン50mg100mg150mg
ビタミンE25mg50mg75mg

1日量は、1錠あたりの量に錠数をかけた計算です。3種セットの各薬の飲み方は、診察でご案内します。

処方の流れと続け方

  • 来院して医師の診察が必要です。当院からの配送はしていません
  • 配送・オンラインでの処方をご希望の方には、日本オンラインドクターズをご案内しています
  • 効果を感じるまでの目安は2〜3か月くらい。個人差があります
  • 当院では、休薬期間は設けていません(続けて飲む方針)
  • 処方していない方:妊娠中・授乳中の方、血栓症になったことがある方。ピルを服用中の方は要相談

「2か月飲んだら2か月休む」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは肝斑の効能を持つ市販のトラネキサム酸製剤の決まりで、医療用のトラネキサム酸の添付文書には、服用期間の上限や休薬の決まりは書かれていません。ただし、休薬を設けていないからといって、確認なしに飲み続けてよいわけではありません。続けている間に体の状況が変わったら、その都度教えてください。

医師としての判断を1つ。長く続ける薬だからこそ、「なんとなく続ける」を避けたいと考えています。2〜3か月たったところで、肌の変化と体調の両方を振り返る。変化を感じないなら、続けるかどうかを見直す。一般的なシミ(日光黒子)やそばかすは、内服だけで薄くなる根拠が確認できておらず、光治療などが主役になります。飲み薬に向いた悩みかどうかも、診察で一緒に確かめましょう。

よくある質問

美容内服にはどんな副作用がありますか?

成分ごとに異なりますが、中心は胃の不快感・吐き気・下痢などの胃腸症状と、発疹などの皮膚症状です。トラネキサム酸の添付文書では、食欲不振・吐き気・嘔吐・下痢・胸やけが0.1〜1%未満、かゆみ・発疹・眠気が0.1%未満とされています。研究では月経の減少の報告もあります。血栓のある方・血栓症があらわれるおそれのある方には注意が必要です。副作用のあらわれ方には個人差があります。

トラネキサム酸を飲むと血栓ができるのですか?

「飲むと血栓ができる薬」と言い切るのは正確ではありません。添付文書の注意は、血栓のある方・血栓症があらわれるおそれのある方について「血栓を安定化するおそれがある」というものです。561人をふり返った調査(Lee 2016)では1人に深部静脈血栓症が起き、のちに家族性の凝固異常と診断されました(当院の薬の研究ではありません)。当院では、血栓症になったことがある方には処方していません。

ピルを飲んでいます。トラネキサム酸入りの美容内服と併用できますか?

当院では要相談としています。医療用のトラネキサム酸の添付文書の相互作用欄にピルは出てきませんが、肝斑の効能を持つ市販のトラネキサム酸製剤の説明では、経口避妊薬やホルモン補充療法を服用中の方は「相談すること」に入っています。自己判断で併用せず、飲んでいる薬を診察でお伝えください。

妊娠中・授乳中でも美容内服は飲めますか?妊活中はどうですか?

当院では、妊娠中・授乳中の方には美容内服を処方していません。トラネキサム酸の添付文書でも、妊娠中は有益性が危険性を上回る場合のみ、授乳中は授乳の継続か中止を検討するとされています。妊活中の方、妊娠の可能性がある方は、診察でご相談ください。

かぜ薬や健康診断のときに気をつけることはありますか?

トラネキサム酸は、かぜ薬やのどの薬にも入っていることがあります。重ねて飲まないよう、成分表示を確かめ、病院や薬局では美容内服を飲んでいることを伝えてください。また、ビタミンCを含む薬は尿糖・尿潜血・便潜血の検査に影響することがあるため、健康診断の前に、検査を受ける医療機関へ服用中であることをお伝えください。

まとめ|飲む前に確かめる、迷ったら止めて相談する

  • 美容内服は「飲むだけ」に見えても薬。成分ごとに副作用と注意がある
  • 副作用の中心は、胃の不快感・吐き気・下痢などの胃腸症状と、発疹。トラネキサム酸では月経の減少の報告もある
  • トラネキサム酸は「血栓ができる薬」ではなく、「血栓ができやすい条件のある方は注意が必要な薬」
  • 当院では、妊娠中・授乳中の方と、血栓症になったことがある方には処方していない。ピルを服用中の方は要相談
  • 妊活中の方、妊娠の可能性がある方は診察で相談を
  • かぜ薬・のどの薬とのトラネキサム酸の重複に注意。透析中の方、腎臓の病気がある方、高齢の方は診察で伝える
  • ビタミンCは尿糖・尿潜血・便潜血の検査に影響する。健康診断の前に伝える
  • 片脚の急な腫れや痛み、急な息苦しさ、胸の痛みなどは、すぐに医療機関へ
  • 当院の5合剤はベーシック6,000円/月、パーフェクト8,000円/月、3種セットは30日分6,000円(税込・自由診療)。来院しての診察が必要

効果や副作用のあらわれ方には個人差があります。アルモナクリニック(東京・市ヶ谷)では、医師が持病・飲んでいる薬・妊娠の可能性・血栓に関わる病歴をうかがったうえで、美容内服をお出しするかどうかを判断しています。「自分は飲めるのか知りたい」「ピルを飲んでいるが相談したい」というご相談だけでもかまいません。お薬手帳をお持ちのうえ、お気軽にお越しください。

美容内服の関連コラム:トラネキサム酸はいつまで飲む?/三合剤・四合剤・5合剤の違い/美容内服は効果ない?

関連記事:オールインワン美容内服5合剤/美容内服セット(3種)/美容内服は効果ない?/サプリメントの飲み合わせ/IPLと美容内服の組み合わせ/セレックV(IPL光治療)

未承認医薬品等に関するお知らせ

未承認医薬品等であること:当院のオールインワン美容内服5合剤は、医薬品医療機器等法上の承認を受けていない未承認医薬品です。美容内服セット(トラネキサム酸・トコフェロール・アスコルビン酸)は国内で承認された医薬品ですが、シミ・肝斑・美肌を目的とした使用は、承認された効能・効果とは異なる使い方(適応外使用)です。

入手経路:5合剤は、医師の判断のもと海外から個人輸入により入手しています。美容内服セットの薬は、国内の医薬品卸業者から入手しています。

国内の承認医薬品等の有無:5合剤と同じ成分をすべて1錠に含む国内承認の医薬品はありません。それぞれの成分を含む承認医薬品(トラネキサム酸、アスコルビン酸・パントテン酸カルシウム、トコフェロール、L-システイン、グルタチオン)は国内にあります。肝斑を効能とするトラネキサム酸の一般用医薬品があります。

諸外国における安全性等に係る情報:トラネキサム酸の内服では、胃腸症状(食欲不振・吐き気・下痢など)、発疹、月経の変化などが報告されており、まれに血栓症の報告があります。5合剤としての安全性については、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。

医薬品副作用被害救済制度:万が一重篤な健康被害が生じた場合でも、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

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